独占・寡占が市場拡大のキーワード

日本のプロ野球が大きく発展した理由のひとつにスター球団巨人軍の人気偏重がある。

12球団あるのに、40%が巨人ファン アンチも含めると60%という歪んだ構造があったため、視聴率 20%をコンスタントに稼ぐことができるモンスターコンテンツとして存在していた。120試合以上、地上波のゴールデンタイムに放映されるため、自ずとプロ野球としての新規獲得にも成功し、市場規模は維持される構造にあった。

しかし、漸次的に戦力均衡化策が導入され、スター選手が分散されていくと、ファンも分散されていく。(スター選手のMLBへの移籍は当然、大きな原因)
ゴールデンタイムに耐えうる視聴率が獲得できるコンテンツではなくなり、BSでみるコアユーザーのものになってしまった。
プロ野球としての新規獲得は困難になる。

戦力均衡化はスポーツとして。
コアユーザーのエンタテイメントとしては、大事な課題だ。

だが、スターをつくらないと、マス市場へのアプローチ。
市場拡大露出を確保できない。

今後もプロスポーツの世界はこのジレンマに悩まされるだろう。
スター戦略を諦めるのであれば、ニッチ戦略に舵を切る必要がある。
その王道がエリアマーケティングに特化し、地域球団としてソウルチームになること

その効果で、今、プロ野球の観客動員は堅調だが、やはり業界全体として新規獲得のアプローチができているかどうかは疑問だ。

業界・地域の発展を考えたときにもこのルールは適用される。
低シェアのプレイヤーは、自ずと業界や地域発展投資へのインセンティブが低い。 ニッチ戦略に精を出せば、事業は成り立つからだ。
但し、良質なニッチの集合体がマスにはなるわけではない。

地域ブランドや業界顧客の育成に注力するプレイヤーのいない市場は長期的には縮小する。 

ニッチプレイヤーは、顧客育成が自社収益になる可能性が低いので、市場拡大への投資は行わず、ニッチプレイヤーの集合市場は、市場全体として過小な水準に落ち着いてしまうという宿命がある。

だから、地域や業界発展のためのひとつの方法は、40%程度のシェアをもつビッグプレイヤーをつくることだ。
ビッグプレイヤーは、市場規模拡大が自社の収益になる可能性が高いので市場拡大投資を行うインセンティブが高い。

そして、その市場拡大投資によってニッチプレイヤーは恩恵に預かることになる。
独占・寡占は、市場拡大にとって重要なキーワードであるという現実は踏まえる必要がある。

繰り返すと、市場拡大・地域発展の特効薬は、寡占状態を形成することだ。

地方の後継経営者が深刻化している今、その方向に舵を切るタイミングがきている。

記事が気に入ったらシェアをお願いします!