スキー場産業を救う唯一の解

地域や業界の繁栄方法を考える思考法

地域や業界の繁栄を企図するときに、有効な思考法は
「もし、1つの会社でやっていたとしたら?」 という仮説の中で、遊ぶことだ。

そこから、出てくる解というのは、実社会ではほとんど実現できない。

もしかしたら、実社会における自分の会社は、真っ先につぶした方がいいという残酷な結論に達する可能性も十分な確率であるだろう。

但し、そのベストシナリオを頭に思い描きながら、現実路線を考えることで、ベストシナリオがない場合と比較してベターな解に向かう可能性は高まる。

スキー場衰退の原因と対策

例えば、スキー場産業の本質的な問題は、圧倒的な収益不足である。

本来あるべき収益は、リフトを30年程度で建て替えることのできる収益レベル。 
それが、なければ、健全な運営は本質的にはできていない。
(つまりリフト建設の30年後には、新規建設ができるだけの内部留保 が欲しいということ)

現実は、その資本蓄積を行うことができているスキー場は、皆無だと言って良い。 

そして、その例外なき収益不足の構造的な原因は何かと問われれば、シンプルに「需給ギャップ」にある。 

需要(スキー場に行きたい人)に対して供給(スキー場)が多過ぎるのだ。

そのため、収益が分散し、勝ち組スキー場に至っても、資本蓄積を行うことがほとんどできない。

そのギャップを埋めるために、何が必要か。

ひとつは、需要拡大策であり、もうひとつは、供給縮小策である。

前者は、当たり前なのだが、注目すべきは後者にある。

スキー場産業の構造的な問題は、撤退障壁が極めて高いことにある。

最大の撤退障壁は原状復帰ルールであり、撤退時には構築物は、すべて壊し植林をすることが求められる。

現実的に、そんなお金があれば撤退しないわけなので、必然的に継続することになる。

また、スキー場は地域産業で経済波及効果が大きいという側面があり、地域事情的に撤退が許されない という側面もある。
※経済波及効果が大きいということは、見方を変えれば、1社であれば独占できるはずの収益が、周囲に漏れてしまっている産業だということだ。

これらの撤退障壁のため、いわゆる市場原理が働かない。

スキー場業界を救う解

今、スキー場産業を救うための解は、これらを乗り越えて、供給を縮小することだ。

スキー場の廃業を後ろ向きに捉えるのではなく、産業保護のために、積極的に後押しする必要がある。

そして、できるならば、少しずつではなく、速やかに一気に廃業した方がよい。

ひとつの方法は、設備修繕をルール化し、義務化することだ。
生命を預かる人送業においてそれがないことこそが異常なことだ。

相当な低レベルの義務化であっても、半数を超えるスキー場は、運営ができなくなるだろう。

供給縮小 → 1スキー場あたりの収益向上 →需要拡大策増・投資性向向上 →魅力・ブランド力向上 →需要拡大

これを速やかに行わなければ、10年を待たずして、共倒れする。

後ろ向きに感じるかもしれないが、それが、ほとんどない現実的な選択肢だと思う。

最初の話に戻ろう。
もし、日本中のスキー場を1社でやっていたら・・・・。
迷わず、選択(廃業)と集中(一部のスキー場への投資集中)を行うだろう。
それが、業界の適正解なのだ。

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