ブランド力とは、ブランドに対する見込み客の表層的な知識 である。

ブランド力って何? ブランド力を定義する。

前回の記事で、ブランドの定義を試みました。
ブランドとは、一瞬で個や帰属を特定できる要素である。

当記事は、そのブランドの効果であるブランド力と言うものに焦点を当てます。

先に、定義を示します。

ブランド力とは、ブランドに対する見込み客の表層的な知識 である。

そして、ブランド力には、将来の収益に+の効果を与える資産効果があります。

少し補足の説明をさせて頂きます。

見込み客

見込み客とは、将来的に購買可能性のあるすべての人を意味しています。
customers

ブランド力は、上記の通り、将来の収益に+の効果を与える資産なわけですが、その資産の置き場所が重要です。
通常、資産というのは社内にあるものですが、ブランド力という人の知識は、社内ではなく、人の頭の中・記憶にあるのです。
ブランド力が、決算書に記載されることもほとんどありません。(企業買収のときののれん代のみそれに近いものになります。)

そして、購買可能性のある人の頭の中にあるときに、はじめてそれは、購買(収益化)を支援する資産となるのです。
ですから、ブランド戦略は、「誰に対してのブランド力か。」という視点が重要で、見込み客という言葉には、その事情を含意しています。

表層的な知識

近年のブランド定義の流行は、ブランドは本質だというものです。

一例を挙げると、博報堂ブランドデザインは、表層的なイメージ戦略とブランド戦略を切り分けた上で、

「社会にとって有意義な、魅力ある個性=らしさ」 

と定義しています。

非常に聞こえはいいのですが、ブランドという言葉そのものが、本質 とは正反対の概念だというのが真実です。

極論すれば、情報が嘘だとしても、その情報が優れていれば、ばれるまでは良質なブランドとなることができます。

誤解を与えるといけないので、少し補足しますが。

本質は、ブランドにとって大事な要素です。
そして、本質をつくることが、良質なブランド形成にとってもっともよい手段であるということを否定するものでもありません。

そして、法令上の理由やモラル上の理由により嘘をついてはいけません。

ただし、ブランド力とは、あくまで、その本質だけではなく、本質と本質でないものが総合的に形成する人の表層的な知識(イメージ)なのです。

そして、これは、また、ブランドのターゲティングとして重要なことを示唆しています。

ブランド力というのは、あくまで表層的な知識 なので、まったく無関心な人にはもちろんのこと、詳しすぎる人にも資産としての効果を発揮しないのです。

ブランド力は、どのように形成されるのか?

communication

では、ブランド力はどのように形成されるのでしょうか?

ブランド力は、各人のあらゆる接触体験(コミュニケーション)によって形成されます。

コミュニケーションには、大別して以下のようなものがあります。

利用・問い合わせ・広告宣伝・パブリシティ・オウンメディア・商品陳列・口コミ・ネット口コミ

少し補足しますと、
パブリシティ というのは、メディアの記事として紹介されることです。
近年は、広告よりも信頼度が高いという原則から敢えて記事として出される有料広告も多いです。
記事化させることを生業とするPR会社というものも存在します。

オウンメディア というのは、自ら運営するホームページ等のメディアです。
多くの人に見てもらえる魅力的な情報を配信するメディアをもつことができれば、多くの人と良好なコミュニケーションを図ることができます。
直接売り込むのではなく、興味層の信頼を勝ち得ながら、自社ブランドを向上させていくというコンテンツマーケティングという方法が流行しています。

これらの接触体験(コミュニケーション)の蓄積によって生じた各人の知識の集積がブランド力というわけです。

ブランド力は、どのような業種で有効なのか?

では、ブランド力という資産は、どのような業種で有効なのでしょうか?

大変、興味深いことなのですが、ブランド力が有効な業種は大きく真反対に二極化しています。

ひとつは、高級品市場
なぜ、高級品市場に、ブランド力が有効なのかと言いますと、
高級品市場というのは、大抵、自己満足とは名ばかりの見せびらかし市場だからです。
luxurylife

他人に自慢するという目的が、加わってきますので、ブランドに対する他人の知識の持ちようが、購入者の満足に影響してくるわけです。

その理由により他人に見せるシチュエーションが多いものの方がブランド力が重視される傾向があります。

置時計より腕時計
貯金箱より財布
冷蔵庫より自動車
カーテンより洋服
布団よりかばん
の方が、ブランド力は一般的に重視されます。

もうひとつは、安価なコモディティ市場です。

supermarket

低額で商品差がない市場。
コンビニやスーパーで売っているものの多くがそうですね。

なぜ、この市場で、ブランド力が効果を発揮するかと言うと、消費者が、選択することにコスト(時間)をかけないからです。

ブランド×価格 で数秒の間に意思決定するので、自ずとブランド力は購買を強力に支援することになります。

ブランディングとはなにか?

これらを踏まえて、ブランディングを定義します。

ブランディングとは、見込み客のブランドに対する知識(ブランド力)を最適化するマーケティングである。

見込み客の居場所を正確に見極め、適正な媒体で適正な量のコミュニケーションを一貫した適正なメッセージで行うことを愚直に繰り返すことが、ブランディングの王道です。

参)マーケティングとはなにか?

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