ブランドとは、一瞬で個や帰属を特定できる要素である。

ブランドとはなにか?

ブランドという言葉の由来は牛や馬等家畜の識別のために押した「焼印」です。

ただ、ブランドの定義を問われるとなかなか統一した見解が得られないかもしれません。

当研究所では、ブランドを以下のように定義したいと思います。

ブランドとは、一瞬で個や帰属を特定できる要素である。

個や帰属の特定の時間を短縮することは、円滑なコミュニケーションのために非常に重要な点です。

ブランドは、コミュニケーションを容易に低コストにするために存在しているものです。

マーケティングとして使用する場合
ブランド(=一瞬で個や帰属を特定できる要素)は、名前と言ってほぼ差し支えありません。
名前以外がブランドになりえないわけではありませんが、名前から離れた独立した要素が一瞬で個や帰属を特定できるというブランドの役割を果たすケースは稀です。

例えば、人の場合、時代や場所を越えて普遍的に個を特定できるものとしてはDNAがありますし、携帯の電話番号や保険証番号・免許証番号も個を特定できますし、あらゆる体のパーツも、詳しく観察すれば個の特定は可能なケースが多いでしょう。
但し、これらは、どこかに照会したり、専門家に見てもらったり、具に観察するという時間が必要になる上に、記憶しておくには複雑すぎるために、ブランドとしての機能を果たすことはできません。 少なくとも、名前というものが存在しているのに、個の特定に敢えて他の要素を採用する意味のあるケースはほとんどないでしょう。

余談ですが。

ブランドという言葉は、ブランド力とかブランド価値 という言葉と混同して使われがちですが、ここでは敢えて明確に区別しています。
ブランドが、名前自体を意味するのに対して、ブランド力とかブランド価値というのは、名前のもつ効果(別記事で詳述)のことを意味します。

ブランドとして名前が採用されるあと2つの理由

ブランドとして圧倒的に名前が採用される理由として名前のもつ下記2つの性質にもあるように思います。

1.拡散性がある。

2.拡張性がある。
ブランドとはなにか3

名前には、拡散性がある。

ここで言う拡散性とは、「個の識別能力」が他の人に広がっていくことを意味します。
名前を媒介することは、他の人に対して容易に「個の識別能力」を付与する方法です。

例えば、識別対象を人に当てはめた場合、「一瞬で本人であるということを特定する」ことができる要素には、名前のほかに顔があります。
顔は複雑な構造ですが、人は人の顔を識別する能力には長けているようで、しばしば識別記号として機能します。
Aさんに「毎日電車で見かける名前は知らず顔だけは知っているBさん」という人がいるとすると、Aさんにとって、Bさんの顔がブランドという見方はできるでしょう。

ただし、このブランドを友人のCさんと共有することは困難です。
Cさんが偶然どこかでBさんに出会ったとしても、Aさんの言うBさんであると認識するには時間がかかります。

それが、名前だとどうか。 
名前を聞いた瞬間に、Aさんの言うBさんであるということを識別することが可能です。

これが、名前のもつブランドの拡散性です。

人のコミュニケーションの多くは言葉を介して行われるので、言語化によってコミュニケーションコストは大きく落ちるのです。

名前には、拡張性がある。

ここで言う拡張性とは、「ブランド」というイレモノに、入れていくものを増やすことができるということです。

ブランド≒名前である場合、共通の名前を使用するという比較的容易な方法で、ブランドの意味を広げていくことができます。

新商品・新規事業・事業買収等は非常にわかりやすい例でしょう。

共通の名前を冠するという非常に技術的にもコスト的にも容易な方法で、帰属を変更・拡張させることができます。

また、拡張性にはもうひとつの意味合いがあります。

名前というブランドが、他の要素とともにコミュニケーションを図っていくと、他の要素もブランドの性質【一瞬で個や帰属を特定できる】を帯び始めるのです。

その目的のためにつくられているもののひとつが、ロゴマークです。 

最初の頃は、名前とともに使用されているロゴマークが、徐々にロゴマークだけで【一瞬で個や帰属を特定できる】役割を果たすケースは、あふれています。

「優秀なブランドは、記号化する。」 でも示した通り、市場に認知されている優秀なブランドは、名前という簡素な文字列さえ複雑でスペースをとりすぎると感じるようになり、簡素な意匠だけでコミュニケーションをとり始めます。

NIKE

ただし、一部、大企業の取り組みは、あらゆる商業活動の中で極めてレアなケースだということは理解する必要があります。

簡素な意匠を多くの人に認知させ、ブランドに昇華させるためには、一般的に莫大な投資(コミュニケーション量)が求められます。

改めてブランドとは何か?

ブランドとはなにか
ブランド≒名前です。

そして、ブランドは以下の性質を持ちます。

ブランドとは、一瞬で個や帰属を特定できる要素である。

そして、名前が、ブランドとして圧倒的に採用される理由として以下があります。

「個の識別能力」が他の人に広がっていく拡散性がある。
容易に意味を広げていくことができる拡張性がある。

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