フジテレビ15時間生放送化に思う〜TVの終焉は、日本人の共通知識の危機である〜

吉と出るか? 凶と出るか? フジテレビ15時間生放送改編のウラ事情

ゴールデン時間帯(19-22時)については確かに目立った番組が思い浮かばないフジテレビ。

凋落が伝えられてから3年ほど経過しただろうか。

ただ、その自信喪失の中でも、平日午前中の生の情報番組は、長時間に渡ってTOPをとりつづけている。
「めざましテレビ」「とくダネ!」「ノンストップ!」

その中にあって、早朝から19時まで15時間連続で生放送化に舵を切るという。

迷走なのか。 戦略なのか。 メッセージとしては非常に興味深く大胆な施策ではある。
具体的には、13時台が生に変わるだけなのだが。

ただ、その理由が明確には見えてこない。

早朝の生番組の好調によりもうTVの優位性は生放送にあると考えているのか。
→裏番組も生放送なので、理由になってない。

新年からビッグニュースが続き、速報機会を重視するようになったのか。

それとも、朝培った生放送のノウハウにかけては、負けないという自負があるのか。
→バイキングとグッディの体たらくを見る限り全く説得力に欠ける。

ニュースや情報番組は、同じネタを繰り返し使えるので、コストが安いということなのか。

もちろん生放送には、速報情報を伝えられるというよさがある。

但し、当然、エンターテイメントとしての質は、編集が加えられていた方が、面白い可能性が高い。
生放送というのは、演者のコンディションがもろに品質に悪影響を与えるリスクを抱えている。 
ベストなキャスティングも収録の方が容易だろう。
むしろ私には、なんのためにバイキングを生放送する必要があるのか分からないくらいだ。

ビデオ録画と直視聴との争いの中で、生放送が優位だと言いたいことは、一見、説得力がある。
ただ、それは、25年前に考えるべきこと。
たしかに全録が出てきたとはいえ、その普及率を考えると近年の状況として生放送が優位ということは説得力に欠ける。
むしろ録画再生率を重視する流れが出てくることを考えると生放送は不利だ。

そして、これから一層、台頭してくるインターネットでの動画チャンネルとの競争を考えると生放送のニュース番組や情報番組というのはもっとも優位性の少ない戦いになるのではないかと思う。

動画とアナウンサーひとり(あるいはナレーションだけ)で番組が成立してしまうわけだからね。

インターネットなら双方向性も容易だし、放送禁止も少ないので、ニュース番組や情報番組の質としては負ける可能性も十分にある。

ゴールデンの企画・制作力で、挽回することに注力しないと、本当にフジテレビは終わってしまうかもしれない。

もう信じられない状況だけど、90年代だけじゃなくて、2004年から2010年までの7年間は、フジテレビが三冠王だった。
この成功体験が抜けきるまでにはもう少し時間がかかるのだろうか。

ホリエモンの買収騒動が、2005年。
実現していたらどうなっていたんだろうなと思う人も少なくないでしょうね。

改めて、TVの優位性は、圧倒的なリーチ。

1世帯に複数の大型の受像機が設置されていて、リモコンのデフォルト(直にチャンネルボタンだけでつけられる)を数チャンネルで寡占している。

それは、他メディアに比して圧倒的な広告収入を約束する。

いくらスマートフォンが台頭しようと、同時間帯の視聴数で、TVに勝るメディアが登場する可能性は未来永劫ない。
なぜなら、TVとは違い、参入障壁がまったくないため、無数にチャンネルが増え続けるからだ。

つまりTVは、死ぬかもしれないが、だからと言って新たなメガメディアが登場するわけではない。

それを踏まえた上で、TVは、他のメディアには真似のできない圧倒的に魅力的なコンテンツを圧倒的な予算の中でつくり続ける必要がある。

それが、電波を独占するという特権を与えられたTV局の最低限の義務である。

TVが終わることは、TV局が終わるだけではない。
日本人の共有知識(常識)という大きな財産を失うことですらあるし、新たなメガヒット商品が未来永劫生まれない可能性すら孕んでいる。
それほど重大なことなのだ。

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