ダイレクトメール 〜誰のマインドシェアでTOPをとるか〜

情報が高度化する社会の中、私的なコミュニケーションを郵便に委ねる機会は漸減している。
これからも増える見込みはないだろう。

総引受郵便等物数の推移
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/html/nc24a130.html
郵便物推移

一方、広告手段としての郵便はどうかというと、実は、堅調に推移している。

日本の総広告費に占めるダイレクトメールのシェアは、直近10年間、7%前後で安定的に推移しているのだ。

個人情報保護法によって、名簿の売り買いが制限されたことで、新規獲得の一見バラマキDMは激減した。

一方で、ポイントカードの普及や通信販売の拡大は、住所登録の機会を増やし、DMを出しやすい環境をつくっている。

一般の郵便が減少したことが、ダイレクトメールのポスト占有率を高め、存在感を増している面も多少あるかもしれない。

★★★★

では、改めて広告媒体としてのダイレクトメールについて言及してみよう。

ダイレクトメールのデメリットからお話すると、

1.住所がわからないと送れない。
ネットビジネスは登録経済なのでアナログ時代よりも比較的容易に住所を手に入れられる環境ができている。
但し、1度は、能動的に購買・登録してもらう必要がある。

2. 1コミュニケーションあたりのコストが高い。
特に、量がまとまらないとデザイン・印刷コストも重くのしかかる。

という点が、挙げられる。

★★★★

次にメリットについてお話しよう。

購買可能性の高い質のよい見込み客と継続的なコミュニケーションを行うことができる。

(ただし、これはマス広告との比較であってダイレクトマーケティング全般に言えること)

改めて、購買体験者が、どれほど相性のよい対象かということは確認する必要があるだろう。

大袈裟に聞こえるかもしれないが
購買するということは、 
数百・数千・数万ある選択肢の中から選んだという奇跡であり
数百・数千・数万人が 同商品を見た中で、唯一反応したという奇跡

その奇跡のマッチングを1度でも起こした人を改めて群衆の中から探し出すよりも
1度でも奇跡を起こしたことがある極めて相性のいい顧客に対して丁寧にコミュニケーションをとって再購買を促す方が、効率的だということは直感的に比較的多くの人に賛同してもらえるのではないだろうか。

ただし、1度奇跡を起こした人は、放置しておいてもまた、奇跡を起こしてくれるのではないかという疑念もあるだろう。

確かに。
1度購買したことがある人は
購買したことがない人に比べてはるかに購買する確率が高い。

(例:100選択肢があれば、通常なら買う確率が、1%なところを10%くらい)

why?
1.一定程度、条件・嗜好性を満たしている 
2.思い浮かぶ可能性が高い。
3.再購買を促すいい印象をもっている可能性がある。
4.購買経験により感じるリスクが少ない。
5.登録等により再登録を省く等の具体的ショートカットが存在している。

では、何もしなくても買ってくれるのか? と言われれば

但し、それでも買わない確率の方がはるかに高い
(例:それでも、90%の人は他の商品を買う。)

why?

1.覚えていない。思い出さない。
2.他の選択肢からよりよい商品をみつけた。
3.再購買を拒絶する悪い印象をもっている可能性がある。
4.違うところから買いたいという嗜好性がある。

囲い込み策をとることで、これらの問題を一定程度解決し、再購買しない90%内の購入確率を高めることができる。
(例:何もしなければ、10%が再購買するところ、囲い込み策で30%に高める。)

はじめて接触する人を説得するよりも一定の知識や経験が土台にある人をあとひと押しした方が再購買する可能性が高いのだ。

次に、メルマガやSNSあるいはマス媒体等に対してのメリットということを挙げると

1.WEB媒体と比較して希少性とインパクトが大きい。
2.物理的に存在するため、継続的に目に入るポスター効果がある可能性が高い。
3.一覧性に優れるため、WEBよりも多く複雑な情報を伝えやすい。

という点が挙げられる。

とはいえ、その優位性がコストを超えるのか。 という疑問も残るだろう。

そこについては、形状・デザイン・タイミング・メッセージ・商品等複雑な要素が絡むので、一般論で断じることはできない。

ただし、1送付あたりのコストだけを見て、それを躊躇しているのであれば、是非、実験的にでも試して頂きたい。

それは、多くの一流企業が長期間にわたりダイレクトメールの送付を継続していることからも伺うことができる。

ちなみに、以下の条件を満たす業種はダイレクトメールにマッチする。

1.購買する人としない人がはっきりしている。→強固な属性

2.全人口に対して購買可能性がある人の割合が小さい。→マス広告の効率が悪い。

3.反復購買する。 → 趣味、ビジネス

4.選択肢が豊富 → 自然に選ばれる可能性は低い。

5.高すぎないシェア →シェアが高すぎると何もしなくても購入してくれる顧客に対する無駄なマーケティング費用が増えすぎる。

6.商品差が少ない。→購買におけるマーケティングの比重が大きい。

★★★★

ブランド論に転換すると

ブランド力とは、「見込み客のブランドに対する知識」である。

その知識は、「ブランドと見込み客とのコミュニケーション」(すなわちマーケティング)によって形成される。

そして、その知識は、購買の選択を支援する。

ただし、購買の実現可能性を高めるためには、競合のコミュニケーションよりも深いコミュニケーションが求められる。

そのためには、広く浅くではなく、狭くとも、各人に対してコミュニケーション量でTOPシェアをとるという発想が必要になる。

すなわち、誰のマインドシェアでTOPに立つか。という発想だ。

そして、それを実現するためには、各見込み客に対してダイレクトアクセス権を獲得して繰り返しあるいはインパクトのある方法で接触を図るというのが、王道になる。

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