チキンマックナゲットの食品消費期限切れ問題について思うこと

今回のマクドナルドの事例は、ブランド力の重要性と脆弱性を示す典型的なケースとなった。
これからどのように失墜したブランドを回復していくのか見ものである。

世界的なマクドナルド離れの潮流はさておき、日本での20%を超える売上の凋落が、何によって起こったのか確認しておく必要がある。

まず、確認すべきことは、日本マクドナルドは、世界のマクドナルドよりもひとつ上のレベルで、事業を行っていたということ。極めて高い信頼のもとで、大量な顧客と良好な関係を築いていた。

もちろん「体にいい」「格別美味しい」と思っている人はほとんどいなかったであろうが、総合的に見て利用するに値すると感じていたようには思う。そして、接客マニュアルや企業オペレーション等いわゆる「多店舗展開を可能とする仕組み」という意味においては、多くの企業にとって羨望の的であった。

多くの日本国民は、「日本マクドナルド=高い企業モラル」というものを強く結びつけていたのではないかと思う。言い換えれば、そう思わせる表層的な演出(=ブランド戦略)には最大限に気を使い、成功していた、ともいえるかもしれない。それが、多量な顧客を惹きつけていた。それが、今回失った「20%の売上プレミア」だったといえなくもない。

そして、それは恐らくマクドナルド固有のものではなくて、一定程度、日本マクドナルド固有のものであっただろう。

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そこに「日本マクドナルド = 高い企業モラル」のイメージが砕け散る事件が起きる。
「中国工場 x 期限切れ鶏肉 x 劣悪な衛生オペレーション」の映像流出である。

この映像が、どこまで真実で、どこまで思惑が存在しているのかはわからない。ただし、「日本マクドナルド = 高い企業モラル」が砕け散るには充分すぎるインパクトをもって受け取られた。

そして、その事態を収束するどころか、炎上を強めてしまったのが、日本の空気を読めなかった日本マクドナルド初の外国人社長カサノバ氏である。顧客に過失があったとしても、全面的に謝罪し、顧客にとっての最善策をとってきたのが日本マクドナルドのイメージである。

そこに来て、謝罪の言葉を口にせず、工場と自社を分離し免罪を図ろうとする姿勢は、日本人のマクドナルドのイメージとはあまりにもかけ離れたものだった。

どんな企業であっても、悪い話は先入観をもって出そうとすればキリがないもので、「聖域マクドナルド」が崩れた途端、メディアの格好の餌食になってしまった。

実態は何ら変わっていないのだが、日本マクドナルドのブランド力は日本有数のレベルから大きく後退し、業績は出口の見えない正念場を迎えている。「ブランド力」がその原因なのであれば、この1年間はあまりにも無策だったといえる。

この局面におけるメニューの入れ替えは、枝葉の議論に過ぎないと感じる。

 

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